図4.2から波を推算する際に、吹送距離と吹送時間とが同時に与えられているときには、波の小さい方の値をとらなければならない。風速が時間的に変化する場合には、一波長当たりの波の全エネルギーが一定のままで、波高と周期が変化するものと考え、図中の等エネルギー線(H1/3 2・T1/3 2を示す線)を利用して波高と周期を求める。
(6)波高・波長北
風が吹き始めると波高と波長の比は急激に大きくなり、短い時間で最大の比となる。以後は、波高、波長とも増大するが、その比は段々と低下する。したがって、風上の波は険しく、発達した波はなだらかとなる。言換えると、波長の短い彼ほどその比は大きくなる可能性がある。
風速は波高・波長比との間には余り関係はない。一般の複合波動にあっては、消えかけの小さいものから、ある最高値までの種々の見掛けの波高・波長比が起こる。
単一波の場合は、その比が1/7で砕けるが、これは波の立ち始めの観測結果とよく一致している。
また、スウェルドラップは、波の若さ(波令Wave age:波の速さ/風速)と波高・波長比(波傾斜Wave steepness)との間に密接な関係があることを発見した。すなわち、波が起き始めてから波令0.4くらいまでは波の傾斜は次第に急になり、波令0.4で傾斜は10%と最大になり、以後は次第に緩やかになっていく。図4.3は波令βと波傾斜σとの関係を示したものである。
図4.3 波令βと波傾斜σとの関係
前ページ 目次へ 次ページ
|
|